下町フォント日記

佐藤豊オフィシャルブログ 2010〜2016

文字の雰囲気…

書体デザインって文字の形をデザインしているのか。ちょっと違う気もする。
私の場合、文字が意味のある言葉として並んだ時のイメージを、デザインしているのだな。
自分が考えている字並びのイメージに近づけるため、個別の文字の形を整えてる…ってのが現実かも。
だから、面白いアイデアや形を思いついても、字が言葉として並んだ時の雰囲気が悪かったらボツ。
フォントってのは裸の言葉に着せる服のようなものだから、ファッションショーやショーウインドゥでカッコよくても、自分が着て外を歩けないような服じゃマズイ。
文字は絵ではない。言葉を表現する道具だから、考え方が面白かったり変わっているだけでは、役に立たない。
だから、たいして意味のない「ABC〜」とか「あいうえお」の書体サンプルも、好きになれない。
そういうサンプルを見てフォントを購入し実際に使ってみたら、自分が想像していたイメージに合わなかった…という人達の声も多い。
私の場合、サンプルはできるだけ意味のある文字列にしているし、試用版を提供し実際に文字を並べて確認してもらうことで、購入者の不満を少なくしている(つもり)。

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